簿記って何だろう?(建設業版)
簿記
簿記とは、日々のお金の出入りや取引を記録することをいいます。
簿記の目的は、※1 貸借対照表と※2 損益計算書を作成することです。
※1 貸借対照表は、決算日(1事業年度の最終日)における資産・負債・資本(純資産)の状態を表したものです。
※2 損益計算書は、一定期間における利益(損失)の状態を表したものです。
取引の記録の仕方には、単式簿記と複式簿記があります。
単式簿記とは、取引を1つの科目のみで記録する方法をいいます。
(例) 電車代1,000円を現金で支払った。
日付 | 摘要 | 収入 | 支出 | 残高 |
7月8日 | 旅費交通費 | 1,000 | 45,000 |
複式簿記とは、取引を複数の科目で記録する方法をいいます。
取引を原因と結果という両面に着目し、仕訳というものを用いて記録します。
仕訳は※ 勘定科目と金額を使用し、左側を借方、右側を貸方と呼びます。
また、借方の合計金額と貸方の合計金額は必ず一致します。
※ 勘定科目は取引の内容をわかりやすく分類するために使い、資産・負債・資本(純資産)・収益・費用の5グループに分けることができます。
資産とは、保有する財産などをいいます。
現金、材料、※ 完成工事未収入金などがあります。
資産が増えるときは借方(左)に、減るときは貸方(右)に配置します。
※ 完成工事未収入金とは、完成工事の代金のうち、まだ受け取っていないお金のことです。(建設業における売掛金です)
負債とは、将来お金を支払わなければならない義務のことをいいます。
※1 工事未払金や※2 未成工事受入金などがあります。
負債が増えるときは貸方(右)に、減るときは借方(左)に配置します。
※1 工事未払金とは、工事費のうち、まだ支払っていないお金のことです。(建設業における買掛金です)
※2 未成工事受入金とは、未完成の工事に対して受け取っているお金のことです。(建設業における前受金です)
資本(純資産)とは、お店の元手となるものをいいます。
資本金のことです。
資本(純資産)が増えるときは貸方(右)に、減るときは借方(左)に配置します。
収益とは、お店が得た収入のことをいいます。
※ 完成工事高や受取利息などがあります。
収益が増えるときは貸方(右)に、減るときは借方(左)に配置します。
※ 完成工事高とは、完成した工事に対して受け取るお金のことです。
費用とは、収益を得るために使った支出のことをいいます。
※ 完成工事原価や水道光熱費などがあります。
費用が増えるときは借方(左)に、減るときは貸方(右)に配置します。
※ 完成工事原価とは、完成した工事に対してかかった費用のことです。