有形固定資産って何だろう?資産を取得したときや減価償却について
有形固定資産
固定資産とは、1年以上の長期にわたって使用したり、保有する資産のことです。
固定資産のうち、形があって目に見えるものを有形固定資産といいます。
・有形固定資産を取得したとき
(問題)
ハル㈱は、建物180円を購入し、代金は月末に支払うことにした。
なお、購入に際して、登記料と仲介手数料の合計額20円を現金で支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
建物 | 200 | 未払金 | 180 |
現金 | 20 |
借方(左)
建物は資産なので、増えるときは借方(左)に配置します。
貸方(右)
未払金は負債なので、増えるときは貸方(右)に配置します。(商品以外の物を購入しているので、未払金を使う)
現金は資産なので、減るときは貸方(右)に配置します。
※ 固定資産の取得原価には付随費用(今回でいうと、登記料と仲介手数料)を含めます。
固定資産の取得原価=本体価格+付随費用
※ 簿記の基礎を学びたい方はこちらへどうぞ
※ 未払金について学びたい方はこちらへどうぞ
減価償却
減価償却とは、固定資産の取得原価を※ 耐用年数にわたって、分割して費用化する会計処理のことです。
※ 耐用年数とは、簡単に言うと資産の使用可能期間のことです。
・決算を迎えたとき①
(問題)
×5年3月31日、ハル㈱は、×4年4月1日に購入した建物200円について減価償却を行う。
なお、減価償却方法は※1 定額法(耐用年数は30年、※2 残存価額は取得原価の10%、記帳方法は※3 間接法)による。
会計期間は、4月1日から3月31日である。
※1 定額法とは、毎年均等に減価償却費を計上する計算方法です。
※2 残存価額とは、耐用年数が過ぎた後に残る資産価値のことです。
※3 間接法とは、減価償却累計額という資産のマイナス勘定を使って、間接的に固定資産の取得原価を減らす方法のことです。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
※ 減価償却費 | 6 | 減価償却累計額 | 6 |
※ 減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数
(200円-200円×10%)÷30年=6円
借方(左)
減価償却費は費用なので、増えるときは借方(左)に配置します。
貸方(右)
減価償却累計額は資産のマイナス勘定なので、増えるときは貸方(右)に配置します。
・決算を迎えたとき②
(問題)
×5年3月31日、ハル㈱は、×4年12月1日に購入した建物200円について減価償却を行う。
なお、減価償却方法は定額法(耐用年数は30年、残存価額は取得原価の10%、記帳方法は間接法)による。
会計期間は、4月1日から3月31日である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
※ 減価償却費 | 2 | 減価償却累計額 | 2 |
※ 1年間のうち、12月1日~3月31日までの4ヶ月分、月割りで減価償却費を計上する
(200円-200円×10%)÷30年×4ヶ月÷12ヶ月=2円
借方(左)
減価償却費は費用なので、増えるときは借方(左)に配置します。
貸方(右)
減価償却累計額は資産のマイナス勘定なので、増えるときは貸方(右)に配置します。
・固定資産を売却したとき①
(問題)
×6年4月1日、ハル㈱は、備品(取得原価100円、減価償却累計額40円、記帳方法は間接法)を80円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。
会計期間は、4月1日から3月31日である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金 | 80 | 備品 | 100 |
減価償却累計額 | 40 | 固定資産売却益 | 20 |
借方(左)
未収入金は資産なので、増えるときは借方(左)に配置します。(商品以外の物を売却しているので、未収入金を使う)
減価償却累計額は資産のマイナス勘定なので、減るときは借方(左)に配置します。
貸方(右)
備品は資産なので、減るときは貸方(右)に配置します。
固定資産売却益は収益なので、増えるときは貸方(右)に配置します。(売却価額と帳簿価額(取得原価-減価償却累計額)との差額)
※ 未収入金について学びたい方はこちらへどうぞ
※ ちなみに、売却価額が40円のとき
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金 | 40 | 備品 | 100 |
減価償却累計額 | 40 | ||
固定資産売却損 | 20 |
借方(左)
固定資産売却損は費用なので、増えるときは借方(左)に配置します。(売却価額と帳簿価額(取得原価-減価償却累計額)との差額)
・固定資産を売却したとき②
(問題)
×6年12月31日、ハル㈱は、×4年4月1日に購入した備品(取得原価100円、期首の減価償却累計額40円、減価償却方法は定額法、残存価額は0円、耐用年数は5年、記帳方法は間接法) を70円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。
会計期間は、4月1日から3月31日である。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金 | 70 | 備品 | 100 |
減価償却累計額 | 40 | 固定資産売却益 | 25 |
※ 減価償却費 | 15 |
借方(左)
未収入金は資産なので、増えるときは借方(左)に配置します。(商品以外の物を売却しているので、未収入金を使う)
減価償却累計額は資産のマイナス勘定なので、減るときは借方(左)に配置します。
減価償却費は費用なので、増えるときは借方(左)に配置します。
貸方(右)
備品は資産なので、減るときは貸方(右)に配置します。
固定資産売却益は収益なので、増えるときは貸方(右)に配置します。(売却価額と帳簿価額(取得原価-減価償却累計額)との差額)
※ 1年間のうち、4月1日~12月31日までの9ヶ月分、月割りで減価償却費を計上する
100円÷5年×9ヶ月÷12ヶ月=15円